よって漢方では、にきびそのものをなくそうとする漢方薬を用いることももちろんあるが、にきびの発生する根本的な原因を探してそこを治療することを重視している。病気の根本的な原因を治して病気になりにくくするための治療を「本治療」、症状そのものをおさえるための治療を「標治療」といい、にきび以外にも数多くの漢方治療において共通した方針である。漢方においてにきびの「標治療」は、このにきびなどの皮膚の炎症は「熱」だととらえ、その熱をおさえるための「清熱剤」を用いるが、この清熱剤にもいくつかあり、本人の体質やそれ以外の症状も考慮しながらどれにするかを選んでいく。そして、「本治療」においては、便秘や下痢などの胃腸障害があるのならお腹の調子を整える漢方薬を、冷えや血行不良があるのなら体を温めて冷えをとったり、血行をよくしたりする漢方薬、にきびが化膿しやすい人は、免疫力を高めて感染しにくい体質に変える漢方薬が用いられる。漢方の治療方法によって根本的な部分を治療しようとすることから、にきびの治療によって、生理不順が治ったり、お通じがよくなったり、お腹の調子が整ったりすることも少なくない。漢方によるにきびの治療は、にきびそのものだけではなく、原因となる部分を体質から改善しようとするから、漢方によってにきびを治そうとするのなら専門家に相談して自分に合った漢方薬を処方してもらうとよい。
漢方の診察では、「四診」という独特な方法がとられ、一見にきびとはあまり関係ないように思われることを尋ねられたり、お腹や舌や脈などを診たりすることがある。それはなぜかというと、「本治療」をおこなうためであり、処方される薬もさまざまである。漢方の治療は、体質の改善を目的とするので、根気よく長期にわたってとり続けることが大事であるが、自分の健康を改善しながらにきびも治せるのだからとてもよいことである。
「睡眠不足はお肌の大敵」とよく言うが、これは本当のことで、肌の新陳代謝は午後10時~午前2時の間が一番活発だといわれており、この時間に睡眠をとったほうがよい。これはにきびの予防に限ることではなく、健康にもよくないので、睡眠不足と不規則な生活は避けるようにするとよい。
ビタミンB6は皮膚の健康を保つ効用があり、皮膚の抵抗を強めてにきびを予防でき、レバー、豆類、穀類、いわし、さば、まぐろ、卵、鶏肉などから摂取できる。ビタミンB2は、アミノ酸・脂質・炭水化物の代謝に必要なビタミンで、皮膚や粘膜の新陳代謝を促す効果があり、レバー、酵母、牛乳、ほうれん草、さば、焼き海苔、干ししいたけ、ワカメ、卵などに含まれる。
そして、ビタミンCは皮膚の老化やメラニン色素によるシミ・そばかすの予防によい。これらの栄養素はにきびにとても良いし、にきびの悪化の原因の炎症を引き起こす活性酸素を除去するのに効果的なのが、ビタミンCとビタミンE、プロビタミンAのβ-カロチンなどである。つまり言うと、油分の多いものや刺激の強いものはなるべくとらず、バランス良い食事を心がけることが大切である。サプリメントなどもよいのだが、誤ったとりかたは逆効果を招くので、医者や薬剤師などに相談するとよい。
